英語にも敬語はある???
答えは、YES!
英語にも敬語はあります。
現代英語においてはyouは2人称単数形と複数形となっています。家族の人、友人、仕事仲間、部下、上司、年上の人、年下の人、言いかえれば、誰にでも人数関係なく使う代名詞です。
昔は、そうではありませんでした。
昔、友人一人に
Are you tired?
(疲れている?)と尋ねたら、何でそんな言い方するのかと返ってきたかもしれません。
何故でしょう?
昔は、2人称単数形のyouは、目上の人、年上の人などにしか使わなった敬称代名詞です。これは、古英語の敬語です。昔もyouは、現代英語と同じく2人称複数形となっていました。
それでは、友人1人、家族の人1人、仕事仲間1人などにどのような代名詞を使っていたのでしょうか?
それらの2人称単数形は、thouでした。Thouの場合、be動詞の変化形は、
Thou art
です。もちろんyouの場合は、そのまま
You are
でした。現在、標準英語の会話では、thouが使われていませんが、例えば、現代の詩にも現代の歌にも出てきます。他に聖書にも出てきます。日本だったら、時代劇に出てきそうな言葉と同じニュアンスです。「拙者は、神宮東のアレックスでござる・・・」みたいな感じです。
昔だったら、私が友人(1人)に疲れているかと尋ねたい時・・・
1. Art thou tired?
・・・と尋ねます。でも上司(1人)に同じ質問をする時・・・
2. Are you tired?
・・・と尋ねます。複数形だと相手の人達の立場と関係なく・・・
3. Are you tired?
・・・と尋ねます。
現代英語では、youを使うだけで目上の人、年上の人などの敬語的な表現とならないので追加表現が必要です。例えば、目上の人に「疲れていますか」と尋ねたい時・・・
1. 相手が男性の場合、
Are you tired, sir?
2. 相手が女性の場合、
Are you tired, ma’am?
となります。Sirとma’amを付けますと敬語的な表現となります。
現代英語では、他に敬語的な表現がたくさんあります。例えば、しなさい、して下さい、してもらえるか、していただけるかなどの表現があります。
1. “Close the window!”
窓を閉めなさい。
2. “Can you close the window ” or “Close the window, please?”
窓を閉めて下さい。
3. “Would you close the window, please”?
窓を閉めてもらえますか?
4. “Could you close the window, please?”
or “Would you mind closing the window, please?”
窓を閉めて頂けませんか?
英語でも手紙やメールの結びの挨拶は、とても大切です。その挨拶によって相手の立場が大体分かります。例えば、結びの挨拶が・・・
1. Loveの場合、相手は家族、親友、恋人などです。
2. Yoursの場合、相手は友人、仕事仲間などです。
3. Sincerely yoursは、敬意を表す相手に使います。例えば、求人に応募する際、応募手紙の結びの挨拶としてピッタリです。
どの言語にでも敬語があります。ゲルマン系言語(ドイツ語、オランダ語など)、ラテン系言語(フランス語、イタリア語、ポルトガル語など)、スラヴ系言語(ロシア語、セルビア語、チェコ語など)の敬語は、英語よりもはっきり区別されています。ゲルマン系言語、ラテン系言語、スラヴ系言語では、今も古英語のthouにあたる代名詞とyouにあたる代名詞とがはっきり区別して使われています。
面白いですね!
英語の次に第2外国語にも挑戦してみませんか?頑張りましょう!
ありがとうございました。
アレックス